「Edius X Pro」で「H.265 ソフトウェアエンコード」をテスト

Edius X Pro

Edius X Pro」の最新版「Ver.10.30b8244」がリリースされ、リリースノート見たところさりげなく「H.265/HEVC ソフトウェアエンコーダーが利用可能」とありました。

発売してからずいぶん経ちましたが、これでようやく「H.264 / H.265」共に「CPU / QSV(Quick Sync Video) / NVENC (Nvidia Encoder)」すべて使用可能となりました。Ryzen環境にてNvidia製のGPUを積んでなくてもエンコード可能となったのは一安心といった所でしょうか。

Intel環境にて「H.265/HEVC」のエンコーダを選ぶと「H.264/AVC」と同様、「ハードウェアエンコードを使用する」のチェックボックスが表示されるようになりました。
※Ryzen環境では同チェックボックスは表示されません

H.265でもハードウェアエンコードの使用有無が選択可能となった

前回はエンコード中の進捗ゲージ「0%~100%」をストップウォッチで測っていましたが、今回は「GV Job Monitor」の「開始日時」「終了日時」の差を取る事としました。実際のエンコード時間以外にファイルの準備時間やエンコード後の保存処理等も含まれているかと思いますが、体感としてはこちらがより近いかと思います。

「終了日時」-「開始日時」の秒数で計測

これまでの結果も改めて取り直してみました。元動画も前回同様、「Microsoft Flight Simulator」を「4k 60p 150Mbps」でキャプチャしたものを使用しました。

まずはH.264から。

H.264のエンコード結果

前回の結果と比べるとかなり遅いですが「実際に待たされている時間」となっています。相変わらずQSVが早いです。CPUでもそこまでストレスは感じないかと思います。NVENCが思ったより伸びないですね・・・。

続いてH.265。

H.265のエンコード結果

NVENC及びQSVがかなり優れているのが分かります。CPUは遅すぎて正直使用する気になりません。Ryzenかつ Nvidia GPUを積んでいない環境で仕方なく選ぶ、ってとこでしょうか・・・。

というわけでほぼ最終形(?)となった「Edius X Pro」での各種エンコード結果でした。最近は他社からも動画編集ソフトは様々リリースされていますので、もはや「Edius」に拘る必要も無いかもしれませんが、「Edius」を使用するのであればやはり「Intel + Nvidia」というのは変わらなそうです。

ソウルキャリバー6向けのコマンド表記フォントを公開

動画編集等で使用できる、ソウルキャリバー6向けのコマンド表記フォント(ttf形式)を自作しました。

若干今更感はありますが、コンボ動画や説明動画等にどうぞ。

ダウンロード

更新履歴

  • 2021年9月6日 v1.5 フォントサイズが小さめでも輪郭線が潰れないよう修正
  • 2021年9月2日 v1.2 ディセント・アセントを調整(日本語等と混ぜても縦方向の位置が自然となる)
  • 2021年9月1日 v1.1 プロポーショナルフォントを追加、「>」「.」文字を追加、「+」記号の線幅を修正
  • 2021年8月31日 v1.0 とりあえず作成

対応文字

■方向キー(短押し)
qwe
asd
zxc
※sはセンター

■方向キー(長押し)
QWE
ASD
ZXC
※Sはセンター

■各種ボタン
rtyu (ファストABKG)
fghj (短押しABKG)
vbnm (長押しABKG)

■記号
+>.

  • 「しゃがみ中」等の説明文は別フォントを指定してください
  • steamガイドにも掲載しています

「Edius X Pro」で「h.264 NVENC」をテスト

記事とは関係ないですが横浜を飛んでみました
エクスポーターに「H.264/AVC (NVIDIA)」が追加

で、結果ですが・・・ん~思ったより遅い・・・気がします。QSVの方が早いのはこ如何に?一応グラフィックボードはRTX3080なので性能的にはそこそこのハズなんですがちょっと残念な結果です。その他は前回とほぼ変わらずといった所です。

これならQSVを使うかな・・・という結果に

H.265も再度テストしてみました。こちらは前回より微妙に早くなってました。RTX 3080は実時間でエンコードできています。

こちらは普通にRTXを使った方がよい結果に

一般的には「h.265」の方が「h.264」よりもエンコードに時間がかかる認識ですが、意外にもRTXを用いた結果は「h.265」の方が早く終わる結果となりました。まだ最適化等出来ていないのでしょうか?

ともあれ、これでnVidiaのグラフィックボードがあればRyzenでも不自由しないレベルにはなったのではないでしょうか?

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

グラスバレー EDIUS X Pro 通常版 EDIUS 10 Pro
価格:51910円(税込、送料別) (2021/7/10時点)


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

グラスバレー EDIUS X Pro アップグレード版 EDIUS 10 Pro
価格:22757円(税込、送料別) (2021/7/10時点)


Edius X Pro にバージョンアップしてみた

UIや使用感は「Edius 9 Pro」を踏襲

UIは色合いが暗くなり、視認性が増しました。各種アイコン等の配置は基本「Edius 9 Pro」と変わりませんのでこれまで「Edius 9 Pro」を使用していた方は違和感なく移行出来ます。

「Edius 9 Pro」経験者なら違和感なく移行可能

ドラフトプレビューモードが快適

「Edius X Pro」で新たに追加された新機能「ドラフトプレビューモード」。これは4k動画等負荷の高い動画ファイルをプレビューする際、表示解像度を落として表示することで負荷を下げる機能ですが、これがかなり効果的です。

解像度は「Full」「1/2」「1/4」「1/8」「1/16」の5段階で設定でき、値が小さくになるほどCPU負荷が軽減します。下記は「4k 60p 150Mbps」の「h.264」ファイルをプレビュー再生した際のCPU使用率となります。

「Full」表示時のCPU使用率は「46%」
「1/2」表示時のCPU使用率は「16%」
「1/4」表示時のCPU使用率は「11%」

筆者の環境ですと4kモニタの右上1/4程度の領域にプレビューを表示する構成ですので、「1/2」が画質と負荷のバランス的に良さそうです。「1/4」は画質の割にはあまり負荷が下がりませんでした。

「Quick Sync Video」対応CPUであれば「ハードウェアデコードを使用する」設定を利用可能

「HEVC」欄にも同様の設定がありますが、こちらはON/OFF切り替えても効果が確認出来ませんでした。h.265再生時に効くのかなと思いましたが再生した感じ差はありませんでした。

「h.265」のエンコード時、nVIDIAのハードウェアエンコードが可能に

エンコード時に指定するエクスポーターに「H.265/HEVC (NVIDIA)」が追加され、nVIDIA製GPUでのハードウェアエンコードが可能となりました。

エクスポーターに「H.265/HEVC (NVIDIA)」が追加

これによりCPUではかなりの時間を要していた「h.265」のエンコードが大幅に短縮されます。

「intel製CPU」+「nVIDIA製GPU」を強く推奨

まず「Ryzen 9 4900HS」ではプレビュー表示時にハードウェアデコードが使用出来ない為、「4k 60p」動画をまともにプレビュー再生出来ません。CPU使用率はそこまで上がらないのですがコマ落ちが激しい状態です。

「Ryzen 9 4900HS」環境下では「ハードウェアデコードを使用する」設定が表示されない
「Full」設定でもCPU使用率は54%とそこまで高くないが、実際のプレビュー再生は厳しい

エクスポート時においても「h.264」のハードウェアエンコードが利用できず、「h.265」に至ってはGPUを使用しない通常のエクスポーター「H.265/HEVC」も使用出来ませんでした。nVIDIA製GPUを積んでいなければ実質「h.265」のエクスポートが不可となります。

「Core i7 10700k」では「h.264」エンコード時にハードウェアエンコードを利用可能
「Ryzen 9 4900HS」では「h.264」エンコード時にハードウェアエンコードが利用不可
「Ryzen 9 4900HS」で「H.265/HEVC」を実行するとエラーとなる。QSV必須?

この辺は今後バージョンアップで改善されるかもしれませんが、現状「Edius X Pro」を使用される方はintel製CPUを選んだほうが無難です。

「h.264」「h.265」のエンコード時間をテスト

最後に、「h.264」および「h.265」のエンコード時間を計測してみます。

h.264 4k 60p 動画のエンコード時間

次に「h.265」のエンコード時間を比較。「h.264」よりも重いフォーマットではありますが、こちらはGPUを使用可能で「GeForce RTX 3080」は実時間にかなり近いところまで短縮されています。また「Zephyrus G14」も「GeForce RTX 2060 Max-Q」の恩恵がここで受けられています。

nVIDIA GPUによるハードウェアエンコードの恩恵は大きい

ちと残念だったのは「GeForce GTX 1080」と「GeForce RTX 3080」で殆ど差が出なかった事でしょうか・・・「GeForce RTX 3080」もちっと短縮されて欲しかった・・・。GPU使用率を見ると全然働いてないように見えるのは気のせいでしょうか・・・?

「RTX3080」さんちゃんと働いてるんでしょうか?CUDAのみだとこんなもの?

2022/7/16 追記

コメントにて指摘頂きました。エンコード時の使用率はタスクマネージャのGPUタブから確認出来るとの事で、再度試してみましたところ、50~60%程の使用量となっていました。以下はH.264エンコード時の状況ですが、H.265でも似たような推移です。やはり100%は使用していないのでしょうか・・・?

PC環境は選ぶが軽快な動作と堅実な機能追加で初心者にもおすすめ

Ediusは昔から軽快な動作と安定性で定評があり、「Edius X Pro」であっても今回初回リリース版を使用していますがクラッシュ等はまだ発生しておらず、安定して動作しています。

ただ、PC環境を選ぶ事も事実で、少なくとも「intel製CPU」か「nVIDIA製GPU」どちらかは欲しいところなのが難点でしょうか。これらは今後のソフトウェアバージョンアップに期待します。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

グラスバレー EDIUS X Pro 通常版 EDIUS 10 Pro
価格:51910円(税込、送料別) (2021/7/10時点)


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

グラスバレー EDIUS X Pro アップグレード版 EDIUS 10 Pro
価格:22757円(税込、送料別) (2021/7/10時点)