Intel ARC B580 Limited Edition トラブル記録

2年前に入れ替えて埃を被っていたPCをサブとして復活させよう、ということで適当にグラフィックボードを漁っていたのですが、ふとAmazonで以前から気になっていた「Intel ARC B580 Limited Edition」が50,000円程度で在庫あり!危険な香りを感じつつもポチってしまったのでレビューを、と思いましたがトラブル多発したので軽めのレビュー+トラブル解消記録を・・・。

Intel ARC B580 Limited Edition

デザインはシンプルで洗練されている

長らくnVIDIA製のグラフィックボードを購入してきたこともあり、ゴテゴテ間のあるグラフィックボードに慣れていたせいもあって、B580 LEは非常にシンプルに見えます。ただ、マット加工されておりなかなか高級感があります。

シンプルな2連ファン。2連ファン自体も久しぶり。
インテル純正ということで、派手さはないが高級感あり

電源は 8pin x 1 で最大190W

RTX4060の110Wに比べるとかなり高いですが、8pin x 1で済みます。古い電源(とはいっても800Wですが)でも余裕で運用できます。

8pin x 1。3080や4090で他ピン疲れしていたのでちょうど良い

出力は HDMI2.1 x 1、DisplayPort2.1 x 3

これも一般的な出力構成かと思います。よく見ると3つあるDisplayPort端子の真ん中だけ黒い枠線が描かれているのが分かるかと思いますが、これはUHBRの規格の違いのようです。真ん中だけUHBR13.5(54Gbps)、両隣はUHBR10(40Gbps)となります。

使用する色数やタイミング、DSC有無等にも影響されますが、4k 144Hzを使用するのであれば真ん中の端子を使うのが無難でしょうか。

一見同じに見えて実は規格が異なる点は注意

HDMI接続でトラブル・・・

ここからが本記事の本番ですが、すんなり映ってくれません。

今回サブPCということで、通常のPCモニタではなく4K TV 「Hisense 55E7N Pro」にHDMIで接続してみたのですが、4K 144Hzに設定すると頻繁に瞬断(ブラックアウト)現象が発生し全く使い物にならず・・・。120Hzや60Hzにしてもダメ、ケーブルを変えてみてもダメ(別のPCからだと問題なし)

「55E7N Pro」側も疑ってみましたが、高速信号対応端子(55E7N ProはHDMI入力端子1, 2のみ4K 144Hzに対応している)につながっていますし、設定も高速信号となっています。

試しに高速信号をOFFにすると4K 60Hzまでなら正常に表示され、ブラックアウトも発生しません。が、これでは意味がないので仕方なくDisplayPortから変換掛けて映像出力してみることにしました。

ちなみにRTX4090からであれば何の問題もなく4K 144Hz表示が可能です。B580側に何か問題があるとしか思えません・・・。

DisplayPort接続でもトラブル・・・

Cable Matters 8K DisplayPort HDMI 変換アダプタ」を用いてDisplayPortからの4K 144Hz出力を試してみましたが、今度は全く映らず・・・。

テレビ側の設定を色々変えてみたところ、「VRR設定」をオフにすると表示されるようになりました。ブラックアウト現象もなく安定して表示されています。公式には「HDMI 可変リフレッシュ・レート (VRR)」対応って書いてあるのに・・・。

VRR設定をオフにしないと映らない。なぜ・・・?

また、144Hz表示は「UHBR13.5(54Gbps)」の端子に繋げないとダメなようで、UHBR10(40Gbps)の方に繋ぐと120Hzまでしか表示できませんでした。RGBで出力しているせいもあるかと思いますが、この辺りも注意が必要でしょうか。
一度120Hzにしてから、144Hzにしても解像度が落ちるようになり、4Kは120Hzしか使えなくなりました。原因不明・・・。

いろいろあったが、映ってしまえば安定

グラフィックボードでここまで映すのに苦労したのは初めてですが、やはり新規参入勢ということでまだまだこなれていない部分があるのでしょうか・・・。ただここまで来れば安定して動作してますし、性能も前評判通り満足いくレベルが出ています。ディアブロ4は最高設定にしても60fps出ますし、Stable Diffusionもサイズ 768 x 1152 で「1.2~1.4it/s」ほど出ています。RTX4090で「2.2~2.4it/s」ほどですので、かなり頑張っているのではないでしょうか?

また4Kの高周波数にこだわらないのであれば上記トラブルはおそらく発生しないかと思います。テレビとの相性もあるかもしれませんが、同じようなトラブルに見舞われる方もいらっしゃるかと思いますので、記録として残しておきます。

FX-AUDIO DAC-T3J レビュー

FX-AUDIO DAC-T3J

デジタル信号は24bit/192kHzまで対応

こちらも最近のDACとしては一般的ですね。DSDや384kHzには非対応ですが、この価格帯であればここまでの対応で十分かと思います。

対応インタフェースは3系統

最近はPCのみを想定してUSBのみ対応というDACも多いですが、本機はUSBの他に光デジタル、同軸デジタルにも対応しています。なかなか使い道はなさそうな気もしますが、最近のテレビは外部音声出力が光デジタル出力のみ、というケースもあるため、そういったケースにも対応できます。

DAC-T3J 背面

バスパワーは非対応。ただ電源供給に落とし穴が

USB入力はバスパワーに対応していないため、電源は別途USB-C経由で供給する必要があります。が、ここで一つ落とし穴が。

商品紹介ページには「■汎用性の高いUSB Type-C 電源入力コネクタを採用」と記載されていますが、手持ちのUSB-C to Cケーブルの殆どが使用不可。最初は初期不良かと思いましたが、ごく一部のC to Cケーブルで動作可、またA to Cケーブルであればどれも動作可ということで、ケーブルチェッカーで動作可/不可のケーブルを比較してみたところ、EmarkerありのC to Cケーブルだと動作しないことが判明しました。

EmarkerありのUSB C to C ケーブルは利用不可

念のためNFJにも問い合わせてみましたが、「仕様」との回答。まぁケーブルさえ選べばしっかり動作するのでそのまま使用していますが、最近のC to CケーブルはEmarker無しの方が少ないのでは?商品紹介ページに記載しておいてほしかったです。

ハードウェアの作りの甘さも目立つ

前述の本機背面の写真で気づいた方もいらっしゃるかもしれませんが、USB入力端子が微妙に傾いてます。また前面のノブについてもTREBLEのツマミが「±0 (ここで引っ掛かるようになっています)」にしても12時の位置に来ていません。音質には影響ないかと思いますが、ちょっと気になります・・・。

この位置が「±0」・・・

某有名DACと比較視聴

手持ちのヘッドホン「AKG K712 Pro」を用いて早速視聴してみました。比較は超メジャーな「iFi audio」のDAC「ZEN DAC V2」を使用しました。

DACといえばコレ?iFi audio ZEN DAC V2

ヘッドホンの駆動力は十分

K712 Proは比較的インピーダンスが高く、それなりの駆動力が必要と言われているヘッドホンですが、DAC-T3Jで十分に鳴らしきれています。10時くらいの位置で私的には十分な音量が出ており、ZEN DAC V2といい勝負なレベルです(ひょっとしたらもっと出てるかも?)

素の音質は良好

イコライザーをBASS/TREBLEいずれも「±0」にしてフラットに鳴らしてみましたが、音質も非常に良好です。ZEN DAC V2の1/3の値段であることを考えると、十二分と言えます。若干粒がはっきりし過ぎている感があり、良く言えば解像度が高い、悪く言えば長時間聞いていると疲れる音かもしれません。ZEN DAC V2はこの辺り絶妙な塩梅で、非常に聞きやすいんですよね。

イコライザーの効きは良いが・・・

本機最大の特徴はやはりイコライザーでの音質調整かと思いますが、コレについては正直微妙な印象。「ZEN DAC V2」には「TRUE BASS」という機能があり、これをONにすることで、すごく絶妙に輪郭を維持・聞きやすく低音を持ち上げてくれます。微調整は出来ませんが、すごくしっくりきます。

反面、「DAC-T3J」はある意味ストレートに(?)低音・高音を持ち上げます。なので低音を上げると音がかなりボヤけ、高音を上げるとシャリシャリな音になります。使うときは「ほんの少しだけ上げる」くらいが良いかもしれません。1時間分も回すとバランスが崩壊します。

気になる点も多いが、素の実力は高く、コスパ良し

まとめてみると、細かいところでハードの作りが甘い、ケーブルの互換性に難あり等ありますが、素の音質は良く駆動力も高いため、価格を考えれば非常にコスパの良いDACかと思います。またFX-AUDIOの製品はパーツを入れ替えるといった楽しみもあるようですので、いろいろ弄ってみたい方にとっても面白い製品ではないでしょうか。


ProtoArc EM01 NL レビュー

Amazon見てたら某高級トラックボールにそっくり(笑)な「ProtoArc EM01 NL」を見つけました。発売直後でクーポン使うと5,260円とお安いこともあり、どんなものかとポチってみたのですが、これが思いのほかよかったのでレビューを。

外見はどう見ても某L社の「M〇 ER〇O」

見ての通りこの「EM01 NL」、外見は某L社の最高級トラックボール「〇X E〇GO」そっくりです。違いとしてはこちらのほうが軽量で、手が当たる部分がプラスチックということでしょうか。この辺はM575っぽさもありますね。

(もう隠してもしょうがないので)「MX ERGO」比べてみると、「EM01 NL」はやはり素材的な安っぽさはあります。ただ樹脂と違って長く使ってもベトとかないというのはメリットでもあります。また若干手のひらが当たる部分が若干滑る感じがあります。このあたりの安定性は「MX ERGO」の方が高いです。

M575 + MX ERGOといった感じ

裏面を見ると・・・

はい、「MX ERGO」使いならおなじみギミックで、本体の角度を0度/20度に切り替えることができます。「MX ERGO」とは異なりこの板は蝶番で固定されおり取り外すことは出来ません。板自体の素材もほぼ同様で、底面はゴム?制になっており、机上でも滑らず安定しています。

角度20度ではこんな感じです。

20度設定。手首にやさしい

角度0度。

0度設定。使う?

まぁこのトラックボールを購入する方は0度にする事はほとんど無いんじゃないかなとも思います。

クリックは静音タイプだが、意外としっかり感あり

クリックはカチカチ音の少ない静音タイプで、押してる感は控えめ。ただこれも安っぽいか言うとそうでもなく、意外としっかり感はありつつ、な程よい感触になっています。職場などでも使いやすいのではないでしょうか。ただホイールは若干音がします。

ボールの転がり具合も良好

ボールは引っ掛かりなく非常にスムーズに転がります。「MX ERGO」の初期ボールよりも良好です。相当うまく調整されているのではないでしょうか。これならぺリックスのボールを買う必要もないかと(笑)

転がり具合が心地よい

無線1台 + Bluetooth2台 に対応

「MX ERGO」は「無線 or Bluetooth を2台」でしたが、こちらは3台まで登録する事が出来ます。またBluetoothの規格も新しいので接続性はこちらの方が高いとまで言えます。というか「MX ERGO」はもう発売されてから7年近いんですね・・・。

切り替えはホイール下のボタンで行えます。この辺りも「MX ERGO」と同じです。①だと無線、②③だとBluetoothとなり、トグル形式で切り替わります。

計3台登録可能

またボールのそばにあるスイッチで解像度の切り替えが可能です。「MX ERGO」では高解像度/低解像度の切り替えのみでしたが、「EM01 NL」は5段階で「上げ下げ」が可能ですので、ちょっと早くしたい/遅くしたい、みたいな調整がすぐに行えます。

USB-C端子なのは良いが、接続部が狭すぎる

ちょっと困ったのが充電用USB-Cケーブル接続部の口径。非常に狭く、これでは殆どのケーブルが入らないのではないでしょうか。一応USB-Cケーブルは付属しているのでそれを使えば問題ないのですが、手持ちのUSB-Cケーブルはほとんど入りませんでした。この点は何とかしてほしいところ・・・。

接続部はもう少しなんとかならなかったのか・・・

ホイールが上下で感触が異なる

ホイールは気持ち重めでガリガリ音が出るタイプなのですが、どうも上下で重さが違うというか、違和感を感じます。特に上方向が若干引っ掛かる感じ。もちろん実使用上は何も問題はないのですが、もうちょっと詰めれば完璧なのになぁと思うところではあります。

「MX ERGO」の1/3の値段とは思えないデキ

「MX ERGO」は現在16,000円程度と「EM01 NL」の3倍です。そう考えるとこの「EM01 NL」のデキはずば抜けてるといえます。もちろん安定感や手の平部分の感触など、「MX ERGO」は高級機ならではの良さがありますが、すでに7年近く経過しておりいまだにMicroUSB端子である事等、若干の時代遅れ感も。

「ProtoArc EM01 NL」はトラックボール初心者が一番最初に手を出すのに最適ではないでしょうか。

Amazon

Acer Nitro 5 AN515-58-N76Z46/6 レビュー

4年近く前に購入したサブマシン「ASUS ROG Zephyrus G14 GA401IV」ですが、ここ最近のゲームはフルHDでも相当厳しくなっており、ぼちぼち乗り換えかなということで楽天でセールしていた「Acer Nitro 5 AN515-58-N76Z46/6」をこの度購入いたしました。

スペックは以下のようになっております。

  • CPU : インテル® Core™ i7-12650H
  • メモリ : 16GB (DDR5-4800)
  • 記憶媒体 : 1TB NVMe SSD
  • グラフィックス : nVidia RTX 4060 Laptop
  • ディスプレイ : 15.6インチ 1,920 × 1,080 165Hz
  • 重量 : 2.5kg

お値段は151,840円、RTX 4060 Laptop を積むノートとしてはなかなかお買い得ではないでしょうか。ちなみに13世代を積んだ新型もぼちぼち発売されているかと思います。12世代と13世代の性能差は僅かですので、最新でなくても良いのであれば安くなった12世代版がおすすめです。

Acer Nitro 5 AN515-58-N76Z46/6

ノートPCとしては拡張性良し

さすがにデスクトップ並とは行きませんが、USB4を始めとする主要な端子は供えられており、周辺機器の接続で困ることはありません。

左側面

  • USB 3.2 Gen1 (5Gbps) Type-A x 1
  • Ethernet RJ-45 (1Gbps)
  • イヤホン端子

右側面

  • USB 3.2 Gen2 (10Gbps) Type-A x 2

背面

  • USB 4 Gen 3×2 (40Gbps) Type-C x 1
  • HDMI
  • DC

公式サイトには背面のUSB-CはThunderbolt4対応と記載があるのですが、デバイスマネージャを見る限りはThunderbolt4の表示は見えず、USB4デバイスしか見えません。チップセットドライバなどを最新化しましたが変わらず。やはりこの値段帯でTB4フル対応はちと無理があるのでしょうか・・・ただここは公式サイト記載の仕様と異なるので修正して欲しいところ。

一応、USB4として速度がしっかり出るか?Thunderbolt4対応のSSDエンクロージャーを用いて速度を計測してみました。

  • SSD : Acer (エイサー) Predator GM7-2TB
  • エンクロージャ : ACASIS TBU405Pro M1
USB4としての要件は満たしていそう

読み書き共に20Gbpsを超える速度が出ていますのでUSB4の基準は満たしているようです。

また贅沢を言えばLANは2.5Gbps対応にして欲しかったところですが、エントリーモデル(?)なのでそこは我慢でしょうか。SDカードスロットも無いのでそこもマイナスポイントかもしれません。

内部の拡張性も充実 (保証は切れるけど)

内部のストレージやメモリについては普通に汎用品を使用しており、カスタマイズ可能です。ただ、開ける際に保証のシールを剥がすことになりますので、正規の保証は受けられなくなりそうです。この辺りは自己責任となります。(増設用のSATAケーブルを同梱しておいて分解するなってのも変な話ですが(笑))

① : 元から装着されている1TB SSD
② : NVMe M.2 (2280) 追加用
③ : SATA 追加用

筆者は③にCFDの「SSD1TB CSSD-S6L1TMGAX」を追加しています。
(撮影時期の都合で映っていませんが②にもキオクシアの「EXCERIA G2 SSD-CK1.0N3G2/N」を追加しています)

ストレージを2台追加可能

メモリはDDR5-4800MHzが2枚で交換可能です。筆者はCORSAIRの「CMSX32GX5M2A4800C40 (16GB x 2)」に入れ替えました。

メモリの交換も容易

無事SSD3台、メモリ32GBを認識しています。

ノートPCではなかなか見られない、内部 SSD 3台構成

想像以上のゲーミング性能

今回最も驚いたのがゲーミング性能で、デスクトップと遜色ないパフォーマンスを発揮しています。以前の「ASUS ROG Zephyrus G14 GA401IV」で積んでいた「RTX 2060 Max-Q」がデスクトップ用の半分くらいの性能しかなかった(Core数等も少ない)ことに対し、「RTX 4060 Laptop」はデスクトップ版とコア数などが全く同じになっているので、電力さえ掛ければ最大限に実力を発揮できます。

試しに鉄拳8をフルHDの最高画質でプレイしてみましたが、60fpsをキープしたまま、快適にプレーできています。さすがにファンはそれなりに回りますが、ゲーム音を出していればあまり気にならないかと思います。また意外と熱風が噴き出す、といった事もなく熱暴走も起きません。これなら解像度をもう一つ上げてもいけそうな雰囲気です。ストリートファイター6も同様にフルHD、最高設定で行けます。

最新のゲームでもフルHDであれば最高画質でプレイ可能

また、HDMIを介しての外部ディスプレイ接続においては4K 144Hzに対応しており、作業的な用途にも十分耐えられます。

外部4Kディスプレイで作業効率を向上

ちなみにUSB4を通しての映像出力は内部グラフィック側が使用されるため、4K 144Hzは出力出来ないようです。USB-C一本で接続できることを生かし、液タブ等を繋ぐのも良いかもしれません。

ACアダプタデカ過ぎ問題

これはもう定番というか、これだけ性能出る以上は避けられない問題ですね・・・。
ACアダプタがやたらデカいです。ぼちぼちGaN等で小型化を図ってほしいものですが、この消費電力でGaNにするとおそらく2万ほど値段が上がってしまいそうです。本体が2.5kgあり、アダプタもコード含めて1kg近くあるので気楽に持ち運び、とはいかなそうです。

またバッテリーでは十分な性能を発揮できず、2時間も持たずに切れてしまいます。バッテリー駆動時は設定を低くするなどの工夫も必要です。

これまで見た中でもトップクラスのデカさ

おまけ : Ubuntu 24.04 LTS を入れてみた

つい最近リリースされたばかりの「Ubuntu 24.04 LTS」をインストールしてみました。こちらも何も問題なくインストールが完了し、RTX 4060もしっかり認識されております。

Ubuntu 24.04 LTS もすんなりインストール完了

というわけで、「Acer Nitro 5 AN515-58-N76Z46/6」のレビューでした。数年前の私なら「ゲーミングノートはやめておけ」と言ってたところですが、今のゲーミングノート(RTX 4060 搭載)であれば「普通に買ってOK」と言えます(笑)。もちろんメインはデスクトップ、という点はこれからも変わりませんが、サブとしては全然ありです。

Minisforum UM560 レビュー

8年ほど使用したサーバをぼちぼち置き換えようという事で、省電力なデスクトップPCを組もうかなと思っていた矢先、Minisforum「UM560」という良い感じ小型PCが発売されたので速攻購入しました。カスタマイズは「メモリ 16GB」「SSD 512GB」となります。ベアボーンにするとOSが付かない割に値引きがそこまで大きくないので、この組み合わせが一番お得なのではないでしょうか。

Minisforum UM560

給電がUSB-C PD (Power Delivery)

UM560最大の特徴と言えば、電源の供給がUSB-C PD (Power Delivery)である事でしょう。いわゆる省電力ノートPCでは当たり前ではありますが、デスクトップPCでこの給電方式はありそうでなかったポイントです。

65WのGaN電源アダプターが付属していますが、非常に小さく取り回しが良いです。その気になればモバイルバッテリーでも駆動可能でしょう。

付属の電源アダプタがとにかく小さい

拡張性も十分

小型PCという事で気になる拡張性ですが、なかなか充実しています。前面にはヘッドホン端子とUSB-C x 2 (うち一つはディスプレイ出力専用) が実装されています。ディスプレイ出力専用という点が液タブを使用する方にとっては気になる点かもしれません(データと映像を1本でやり取り出来ない)。

前面の端子群

背面は給電用のUSB-C PD (ディスプレイ出力兼)、2.5G LAN、USB3 x 2、HDMI x 2、USB2 x 2があります。LANが2.5Gなのはサーバ用途としては嬉しいところです。

背面の端子群

また無線系としては「無線LAN (WiFi6)」「Bluetooth (LMP 5.2 (0xb))」が実装されており、2022年8月時点では最新に近いバージョンとなります。

AMD Ryzen 5 5625U は十分にパワフル

筆者はサーバ用途で購入したので性能はそこまで追求していませんでしたが、購入時にWindow11がプリインストールされていましたので試しに使用してみたところ、4K環境でも非常にサクサク動作してました。youtubeで4K動画などの再生も試してみましたが余裕をもって再生出来ています。

Windows11がプリインストール

参考までにこれまで使用していたサーバに載っていたCPU「intel Core i3 4130T」と比較してみました。(参考 : AMD Ryzen 5 5625U vs Intel Core i3-4130T @ 2.90GHz [cpubenchmark.net] by PassMark Software)

シングルスレッドで2倍弱、マルチスレッドで5倍弱の性能、それでいて消費電力は半分以下になっています。9年前のCPUと比べるのも酷ではありますが、時代の流れを感じます。

省電力タイプだが性能は高い

カスタマイズは若干難ありか

本PCは内部に2.5インチのストレージを増設することが可能です。サーバ内のファイル置き場として使用するため増設を試みました。

まずは本体底のねじを外し、蓋を開けてみます。M.2 SSD (intel SSD 660p) とメモリ(Kingston CBD32D4S2S1MF-8) 2枚が見えます。

メモリとM.2 SSDが装着されている

で、取り外した蓋の裏側に2.5インチのSSDを取り付け可能なのですが、ここで一つ問題が。

蓋の裏に2.5インチ SSDを取り付け可能だが・・・

2.5インチSSDを取り付けた状態で蓋を閉めようとすると、M.2 SSDに装着されているヒートシンクと干渉しきっちり閉まりません・・・。使用した2.5インチSSDは「Crucial MX500」とド定番のSSDなのですが・・・。

蓋がきっちり閉まらない・・・

仕方ないのでM.2 SSDをヒートシンク無しでも発熱の少ない「Crucial P2」に差し替える事にしました。「intel 660p」でも多分大丈夫だとは思いますが、Windows11プリインストールされており、メインPCトラブルの際に臨時で使えそうなのでこちらは残すことにしました。

Ubuntuの導入は驚くほどすんなり

Ubuntu 22.04 LTS をインストールしてみましたが、有線LAN/無線LAN/Bluetooth等はインストール直後にしっかり認識しており、追加のドライバインストールを行うことなく使用出来ました。これはうれしい誤算です。発売直後のPCにUbuntuを入れるとLANドライバが無くてネットワークが使えない、なんてのは結構ありますので・・・。4K表示もOKですし音楽再生も問題ありません。

追加のドライバ不要でしっかり動作

Docker入れて旧サーバからWordpress等をお引越し、無事今ご覧になっている本Webサーバが稼働しております。

というわけで「Minisforum UM560」のレビューでした。小型で性能も高く、消費電力低い、取り回しも良いと今のところいいこと尽くめではありますが、ストレージの増設トラブル、また電源やファンの品質については若干不安が残るところではあります。以前のサーバは8年間動き続けていましたので、果たして同じ年数動き続ける事が出来るか、ひとまず様子見と行きます。

Minisforum UM560 製品ページ

マルチOS対応メカニカルキーボード「Keychron k8 (JIS配列)」

「M1 Macbook Air」でのプログラミング作業が増えてきたのでMac用のメカニカルキーボードを物色していたところ、日本語配列で良い感じのキーボードが見つかりましたのでレビューしてみます。

Keychron k8

Mac用のキーボードと言えばApple純正の「Magic Keyboard」が定番ですが、どうにもキーストロークが浅く、また十字キーも非常に押しにくいため筆者にはとても耐えられないものでした。

Mac用のメカニカルキーボードがとにかく少ない!

Mac用のメカニカルキーボードというのが非常に種類が少なく、さらにJIS配列まで求めるともう数種類しかないんじゃないかというレベルです。なので選択肢は限られてはいましたが・・・。

ふと見つかったのが「Keychron」というメーカーのメカニカルキーボード「k8」でした。赤軸/茶軸/青軸から選択することができ、十字キーも独立したタイプ、さらにJIS配列モデルが用意されています。Windows/Mac両対応で有線/Bluetooth接続に対応と至れり尽くせりな内容。これは行けると思いポチっと行ってみました。

Windows/Macどちらでも全く違和感ないキー配列

下記は現在Windowsで使用している「FILCO Majestouch 日本語108キーボード・かなあり・黒」ですが、見比べてみるとテンキーを除いた物理的なキー配置がほとんど同じである事が分かるかと思います。

キー配置、サイズ感まで非常に近い

本製品にはWindowsとMacでキーのラベルが異なる箇所に関して、交換可能なキートップが付属しています。筆者はWindows歴が非常に長く、Mac歴が浅い、という状態ですので、キーのラベルはMacにして使う事にしました。こういった使い方の際、キーの配置がこれまでのWindowsキーボート同様というのが非常に助かります。

Windows/Macの切り替えは専用のスイッチで行う

本製品ではWindows/Macの対応を専用のスイッチにより実現しています。例えばWindowsでは「半角/全角」キーがありますが、Macにはありません。このような差を切り替え機能により吸収しています。

本体左サイドにWindows/Mac切り替えスイッチ

慣れれば手探りだけで切り替える事が出来ますので面倒に感じる事もありません。

接続方式は有線/Bluetooth3台

Windows/Macとの接続方式としてはUSB-Cケーブルによる有線接続、およびBluetoothによる無線接続(3台まで)が用意されています。USB接続があるためBIOSの操作にも対応できますね。またゲーム等のシビアな入力を必要とする際にも有線がおすすめです。

筆者はMacとの接続はBluetoothにしています。Macbook Air自体にも当然キーボードが付いていますのでBIOS操作等が必要であればそちらでやればOKですね。また3台までペアリングできますのでiPadも本キーボードで入力できるように設定しました。またBluetoothのバージョンは5.1で、接続安定性、反応速度共に非常に良好です。正直もっと遅延とかあると思ってましたがここもうれしい誤算です。

赤軸はCherry製ではないが良好な打ち心地

これまで使用していた 「FILCO Majestouch」はCherry製の茶軸でしたが、少しカチャカチャ音が気になっていましたので今回静かと言われる赤軸モデルを選んでみました。Cherry製ではなくGateron製のようですが、これが予想外に打ち心地が良く感じました。逆に音はそこまで静かな感じはしませんでしたが・・・。耳につかない角の取れたマイルドな音ですので、周りの迷惑感は減っているかと思います。

静音性に優れているといわれる赤軸互換スイッチ

ちなみに左シフトキー、スペースキー、エンターキーだけ押し心地が異なりますが、これはスタビライザーが装着されている為です。これ、知らない人は不良品とか思ってしまうかもしれないですね・・・。説明書に書いた方が良いかと思いました。

大型のキーは押下圧拡散の為にスタビライザーが装着されている

キーボードの角度は3段階

キーボードの角度付けは3段階で、下記のようなゴム足タイプで調整できます。見辛いかもしれませんが「なし、小型(内側の足)、大型(外側の足)」で調整できます。もう少し角度が付いても良かったかなとは思います。

角度調整は3段階

キーボード本体に高さがあり、パームレスト必須

唯一不満というか気になった点は全体的なキーボード自体の高さです。非常に高く設計されている為、長時間使用する場合はパームレストが無いと腱鞘炎になりかねません。まぁメカニカルキーボードはどの製品もそれなりに高さはあるので仕方ないと言えば仕方ない点ですね。



「Edius X Pro」で「H.265 ソフトウェアエンコード」をテスト

Edius X Pro

Edius X Pro」の最新版「Ver.10.30b8244」がリリースされ、リリースノート見たところさりげなく「H.265/HEVC ソフトウェアエンコーダーが利用可能」とありました。

発売してからずいぶん経ちましたが、これでようやく「H.264 / H.265」共に「CPU / QSV(Quick Sync Video) / NVENC (Nvidia Encoder)」すべて使用可能となりました。Ryzen環境にてNvidia製のGPUを積んでなくてもエンコード可能となったのは一安心といった所でしょうか。

Intel環境にて「H.265/HEVC」のエンコーダを選ぶと「H.264/AVC」と同様、「ハードウェアエンコードを使用する」のチェックボックスが表示されるようになりました。
※Ryzen環境では同チェックボックスは表示されません

H.265でもハードウェアエンコードの使用有無が選択可能となった

前回はエンコード中の進捗ゲージ「0%~100%」をストップウォッチで測っていましたが、今回は「GV Job Monitor」の「開始日時」「終了日時」の差を取る事としました。実際のエンコード時間以外にファイルの準備時間やエンコード後の保存処理等も含まれているかと思いますが、体感としてはこちらがより近いかと思います。

「終了日時」-「開始日時」の秒数で計測

これまでの結果も改めて取り直してみました。元動画も前回同様、「Microsoft Flight Simulator」を「4k 60p 150Mbps」でキャプチャしたものを使用しました。

まずはH.264から。

H.264のエンコード結果

前回の結果と比べるとかなり遅いですが「実際に待たされている時間」となっています。相変わらずQSVが早いです。CPUでもそこまでストレスは感じないかと思います。NVENCが思ったより伸びないですね・・・。

続いてH.265。

H.265のエンコード結果

NVENC及びQSVがかなり優れているのが分かります。CPUは遅すぎて正直使用する気になりません。Ryzenかつ Nvidia GPUを積んでいない環境で仕方なく選ぶ、ってとこでしょうか・・・。

というわけでほぼ最終形(?)となった「Edius X Pro」での各種エンコード結果でした。最近は他社からも動画編集ソフトは様々リリースされていますので、もはや「Edius」に拘る必要も無いかもしれませんが、「Edius」を使用するのであればやはり「Intel + Nvidia」というのは変わらなそうです。

GIGABYTE M32U レビュー

GIGABYTE M32U

画質は・・・普通?

同じ4Kという事もあり、画質をウリにしていた「EV3237」や「49Z720X」との違いについては正直分かりませんでした。十分綺麗ですし、すべてIPSなので視野角といった部分も十分かと思います。発色は「49Z720X」の方が好み・・・ですかね。ドット抜けが無かったのは一安心(筆者は過去10台近く液晶買っていますが未だドット抜け0が続いております)

144Hzのヌルヌル感!

「EV3237」との大きな違いといえばやはりこのリフレッシュレート「144Hz」かと思います。マウスの動きからしてヌルヌルしてますし、テキストをスクロールした際の目の疲れが全然違います。ゲームは・・・RTX3080をもってしてもなかなか難しいですね><少し古いゲームであれば出せないことも無いですが。

4Kプレイでの遅延がめちゃくちゃ少ない!

「EV3237」の遅延は論外として・・・「49Z720X」も遅延が少ないテレビとして有名でしたが、「M32U」はさらに遅延が抑えられています。格闘ゲームをプレイするとその差がはっきりとわかります。これまでよりもコマンドを「遅く」入力しないとジャスト入力系のコンボが繋がらないというのはなかなか驚きでした。「49Z720X」も「1920×1080 120Hz」であれば十分早いですけど。ただこの点についてはこれまで設定できなかったNVIDIAの低遅延モード「ウルトラ」が有効となった事も影響しているかもしれません。

G-SYNC互換モードあり
低遅延モード「ウルトラ」が利用可能に

4K表示時の「49Z720X」との遅延差を確認するため、両モニタで同時に「LCD Delay Checker」を表示させてみたところ、1.5フレーム (25ms) 程「M32U」の方が早いという結果に・・・。この差は格闘ゲームでフレームを考えてる人なら重要さが分かるかと思います。

「M32U」の方が数字が大きい = 遅延が少ない

スピーカーは・・・そんなものは無かった

一応、内臓のスピーカーが付いていますが音はお察し・・・。ヘッドホン端子があるのでそこから外出しする事をお勧めします。オーディオインターフェースがあるならそちらから出す方が良いかと思います。

画質等の調整は「OSD Sidekick」

画質調整は本体の裏の十字キーを使用しても行えますが、GIGABYTEが公開しているツール「OSD Sidekick」を使用することでWindows上からマウスを使用して調整が可能です。かなり設定項目が多いのでこのツールでやらないと結構しんどい気がします。ちなみにファームウェアのアップデートは本ツールから行うことになりますのでインストールはほぼ必須です。

かなり細かく設定可能。マウスで操作できるのは楽

また、稀にUSBケーブルが接続されていない的なエラーが出る事がありました。何度繋ぎなおしても認識せず・・・。いろいろ試した結果、M32Uの電源ケーブルを一度抜き差しすると治りました。M32U内部のソフトウェアがクラッシュしているんですかね・・・。

PCやスマートフォンとキーボードやマウスを共有できる「KVM」

本モニターのユニークな機能がこの「KVM」で、例えば

  • 本モニタのUSB3.0端子に「マウス」と「キーボード」を接続
  • 本モニタのUSB3.0-B端子と「Windows PC」を接続
  • 本モニタのUSB-C端子と「Macbook Air」を接続

と繋いだ場合に、「マウス」と「キーボード」の接続先を「Windows PC」と「Macbook Air」で切り替える事が可能となります。まぁWindows用のキーボードをMacに入れても正直混乱するだけで意味無かったですが、アイデア次第でいろいろやれるかもしれません。ただ本機能はまだ不安定なところがあるようで(M32Uのファームウェアは最新の「F6」を使用)、例えば「Macbook Air」を使用中にケーブルを抜くと画面は「Windows PC」に切り替わりますが「マウス」と「キーボード」が動かない状態になったり・・・。この辺はファームウェアアップデートに期待でしょうか。

なんかTypeC側が表示無効になってますが・・・使えてます
本体裏にボタン。2つしかないので手探りでなんとなくわかる

DisplayPort 1.4(DSC)とHDMI 2.1の違いは?

「4K 144Hz」をロスレスでフル転送するには現在の「DisplayPort 1.4」では帯域が不足しています。そこでデータの圧縮を行う「DSC」という技術が使用されていますが、当然「圧縮」という事で画質の劣化が「人間にはわからないレベル」で発生しているようです。実際じっくり見比べてみましたが・・・全然分からないですね^^;後は当然追加の処理が行われているので遅延が気になるところですが、こちらもさっぱり分かりませんでした。仮にあったとしても1msも無いと思われます。おそらくマイクロ秒レベル!?

「4K 144Hz」を出せるスペックのPCがあれば超オススメ

結局これに尽きるのですが、2021年時点で「4K 144Hz」の実力を発揮するには「RTX3080」でも厳しいものがあります。ただ、通常の作業においても高リフレッシュレートの恩恵は十分に受けられます。またゲームプレイ時の遅延の少なさは特筆すべきと言えます。将来にわたって長く使用出来るモニタとなるのではないでしょうか。出始めという事でファームウェアの不安定さはありますが、アップデート機能があるので改善はされていくかと。

補足 : 動作確認に使用したケーブル

付属のケーブルはいずれも短く(2mも無い)、PCを少し話している筆者の環境では全く届かなかったのでケーブルは他社製のモノを使用しております。


「Edius X Pro」で「h.264 NVENC」をテスト

記事とは関係ないですが横浜を飛んでみました
エクスポーターに「H.264/AVC (NVIDIA)」が追加

で、結果ですが・・・ん~思ったより遅い・・・気がします。QSVの方が早いのはこ如何に?一応グラフィックボードはRTX3080なので性能的にはそこそこのハズなんですがちょっと残念な結果です。その他は前回とほぼ変わらずといった所です。

これならQSVを使うかな・・・という結果に

H.265も再度テストしてみました。こちらは前回より微妙に早くなってました。RTX 3080は実時間でエンコードできています。

こちらは普通にRTXを使った方がよい結果に

一般的には「h.265」の方が「h.264」よりもエンコードに時間がかかる認識ですが、意外にもRTXを用いた結果は「h.265」の方が早く終わる結果となりました。まだ最適化等出来ていないのでしょうか?

ともあれ、これでnVidiaのグラフィックボードがあればRyzenでも不自由しないレベルにはなったのではないでしょうか?

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M1 MacBook Air (2020) + Thunderbolt3 ドック「ORICO TB3-S1」

筆者は俗にいうApple信者ではありませんが、iPhone、iPad、Apple Watch、MacBook Proを所有していると言うとほぼ間違いなく信者扱いされます。自覚のないヤバい信者ということなのでしょうか・・・。

さて、いざ使い始めると早くも致命的な事に気が付きます(ウソです、買う前から知ってました)。拡張端子が「Thunderbolt3(USB-C)」2系統しかありません。これではACアダプタと外部モニタ繋ぐだけで埋まってしまいます。必然的に、ドッキングステーション等の拡張機材が必要となってきます。というわけで・・・。

ORICO Thunderbolt 3 Aluminum Alloy Docking Station (TB3-S1)

ORICO Thunderbolt 3 Aluminum Alloy Docking Station (TB3-S1)

主な仕様は下記の通りです。

  • Power Delivery 60W (ACアダプタ接続)
  • Displayport (8K/60hz) 出力
  • Gigabit Ethernet
  • SD4.0 UHS-II カードスロット
  • USB3.2 Gen1 Type-A x 1
  • USB3.2 Gen2 Type-A x 2
  • USB3.2 Gen2 Type-C x 1
  • Thunderbolt3 (デイジーチェーン用) x 1

・・・てんこ盛りですね。スペック的にはこれ1台繋げばまず困ることは無いかと思います。充電しながら外部モニタ接続できてストレージも拡張できます。またこのドック自体にもデイジーチェーン用のThunderbot3端子があるのでここからさらに拡張が可能です。

SDカード、LAN端子、各種USB端子、DisplayPort端子とてんこ盛り
ACアダプタ端子、PCとの接続用TB3端子、デイジーチェン用TB3端子を備える

ACアダプタ必須のため、持ち運びには不向き

本機はPower Deliveryに対応しており、60Wまでの電力を供給出来ます。またセルフパワー対応ですので消費電力の大きい接続機器にも対応出来ます。が、その分ACアダプタが巨大で持ち運びにはとても向かないかと思われます^^;

でけぇなオイ

映像出力は4K/60Hz対応。変換アダプタでHDMI出力も可能

さすがに8Kのモニタは所有しておりませんので「4K 60Hz」が表示できるか?という観点で映像出力の対応具合をチェックしてみました。使用したモニタは「EIZO EV3237 (DisplayPort)」と「東芝 REGZA Z720X (HDMI)」となります。

下記はDisplayPortから出力したものです。

いずれも4K/60Hz表示自体はOKでした。ただ、Z720XのHDRはMac側が認識せず、表示出来ませんでした。Windowsでは認識したのでMac側に何か問題があるのかもしれません。

次はThunderbolt3 (デイジーチェーン用) から出力したものです。

今回唯一HDR対応を検出できた「Anker PowerExpand+ USB-C & HDMI 変換アダプター」
さすがAnkerと言うべきか、2000円でしっかりHDRに対応してます

Thunderbolt3、USB3.2 Gen.x の速度も十分

「Thunderbolt3 (デイジーチェーン用)」での速度。「USB 3.2 Gen2」もほぼ同じ。
「USB 3.2 Gen1」 では20%ほど速度が低下

またRMEのオーディオインターフェース「Babyface」も既にドライバがリリースされており、「ミュージック」アプリにて再生OKでした。

SDカード、LANも問題なし

SDカードは手元に高速のものが無かったので実力はわかりませんが、特に遅いと感じる事はありません。LANも同等で通信跡切れ等は発生しませんでした。

これ一台あればOK!

この手のドッキングステーションは相性が出やすいようで、下手したら全く動かないなんて事もあり得るようです。そんな中でCPUアーキテクチャまで変わったM1 Macでここまでしっかり動くのはなかなか優秀ではないかと思います。持ち運びには厳しいですが自宅でどっしり構えて作業する方には最適ではないでしょうか。