GIGABYTE M32U レビュー

GIGABYTE M32U

画質は・・・普通?

同じ4Kという事もあり、画質をウリにしていた「EV3237」や「49Z720X」との違いについては正直分かりませんでした。十分綺麗ですし、すべてIPSなので視野角といった部分も十分かと思います。発色は「49Z720X」の方が好み・・・ですかね。ドット抜けが無かったのは一安心(筆者は過去10台近く液晶買っていますが未だドット抜け0が続いております)

144Hzのヌルヌル感!

「EV3237」との大きな違いといえばやはりこのリフレッシュレート「144Hz」かと思います。マウスの動きからしてヌルヌルしてますし、テキストをスクロールした際の目の疲れが全然違います。ゲームは・・・RTX3080をもってしてもなかなか難しいですね><少し古いゲームであれば出せないことも無いですが。

4Kプレイでの遅延がめちゃくちゃ少ない!

「EV3237」の遅延は論外として・・・「49Z720X」も遅延が少ないテレビとして有名でしたが、「M32U」はさらに遅延が抑えられています。格闘ゲームをプレイするとその差がはっきりとわかります。これまでよりもコマンドを「遅く」入力しないとジャスト入力系のコンボが繋がらないというのはなかなか驚きでした。「49Z720X」も「1920×1080 120Hz」であれば十分早いですけど。ただこの点についてはこれまで設定できなかったNVIDIAの低遅延モード「ウルトラ」が有効となった事も影響しているかもしれません。

G-SYNC互換モードあり
低遅延モード「ウルトラ」が利用可能に

4K表示時の「49Z720X」との遅延差を確認するため、両モニタで同時に「LCD Delay Checker」を表示させてみたところ、1.5フレーム (25ms) 程「M32U」の方が早いという結果に・・・。この差は格闘ゲームでフレームを考えてる人なら重要さが分かるかと思います。

「M32U」の方が数字が大きい = 遅延が少ない

スピーカーは・・・そんなものは無かった

一応、内臓のスピーカーが付いていますが音はお察し・・・。ヘッドホン端子があるのでそこから外出しする事をお勧めします。オーディオインターフェースがあるならそちらから出す方が良いかと思います。

画質等の調整は「OSD Sidekick」

画質調整は本体の裏の十字キーを使用しても行えますが、GIGABYTEが公開しているツール「OSD Sidekick」を使用することでWindows上からマウスを使用して調整が可能です。かなり設定項目が多いのでこのツールでやらないと結構しんどい気がします。ちなみにファームウェアのアップデートは本ツールから行うことになりますのでインストールはほぼ必須です。

かなり細かく設定可能。マウスで操作できるのは楽

また、稀にUSBケーブルが接続されていない的なエラーが出る事がありました。何度繋ぎなおしても認識せず・・・。いろいろ試した結果、M32Uの電源ケーブルを一度抜き差しすると治りました。M32U内部のソフトウェアがクラッシュしているんですかね・・・。

PCやスマートフォンとキーボードやマウスを共有できる「KVM」

本モニターのユニークな機能がこの「KVM」で、例えば

  • 本モニタのUSB3.0端子に「マウス」と「キーボード」を接続
  • 本モニタのUSB3.0-B端子と「Windows PC」を接続
  • 本モニタのUSB-C端子と「Macbook Air」を接続

と繋いだ場合に、「マウス」と「キーボード」の接続先を「Windows PC」と「Macbook Air」で切り替える事が可能となります。まぁWindows用のキーボードをMacに入れても正直混乱するだけで意味無かったですが、アイデア次第でいろいろやれるかもしれません。ただ本機能はまだ不安定なところがあるようで(M32Uのファームウェアは最新の「F6」を使用)、例えば「Macbook Air」を使用中にケーブルを抜くと画面は「Windows PC」に切り替わりますが「マウス」と「キーボード」が動かない状態になったり・・・。この辺はファームウェアアップデートに期待でしょうか。

なんかTypeC側が表示無効になってますが・・・使えてます
本体裏にボタン。2つしかないので手探りでなんとなくわかる

DisplayPort 1.4(DSC)とHDMI 2.1の違いは?

「4K 144Hz」をロスレスでフル転送するには現在の「DisplayPort 1.4」では帯域が不足しています。そこでデータの圧縮を行う「DSC」という技術が使用されていますが、当然「圧縮」という事で画質の劣化が「人間にはわからないレベル」で発生しているようです。実際じっくり見比べてみましたが・・・全然分からないですね^^;後は当然追加の処理が行われているので遅延が気になるところですが、こちらもさっぱり分かりませんでした。仮にあったとしても1msも無いと思われます。おそらくマイクロ秒レベル!?

「4K 144Hz」を出せるスペックのPCがあれば超オススメ

結局これに尽きるのですが、2021年時点で「4K 144Hz」の実力を発揮するには「RTX3080」でも厳しいものがあります。ただ、通常の作業においても高リフレッシュレートの恩恵は十分に受けられます。またゲームプレイ時の遅延の少なさは特筆すべきと言えます。将来にわたって長く使用出来るモニタとなるのではないでしょうか。出始めという事でファームウェアの不安定さはありますが、アップデート機能があるので改善はされていくかと。

補足 : 動作確認に使用したケーブル

付属のケーブルはいずれも短く(2mも無い)、PCを少し話している筆者の環境では全く届かなかったのでケーブルは他社製のモノを使用しております。


GeForce RTX3080 導入につき自作PCを刷新

2020年9月、待ちに待った「nVidia」のGPU「Geforce RTX3080」が発売されました。が、どうも現PCのCPU「Core i7 6700k」では性能が低すぎて「RTX3080」の足を引っ張ってしまうとのことで、前回自作時から5年が経過したこともあり思い切って刷新する事としました。

一応、「高性能」「安定性」「静音性」あたりをバランスよく構成できたかと思いますんでこれから自作を考えている方の参考にでもなれば。

GPU : MSI GeForce RTX 3080 GAMING X TRIO 10G

消費電力が「340W (!)」もあり、補助電源は「8pin x 3 (!)」、ボード長も「323m (!)」もあります。今回はこのモンスターGPUを収める事を基準としてパーツを選択していく形となります^^;

補助電源端子は「8pin x 3」となんとも恐ろしい事に・・・。
上が「GTX1080」、下が「RTX3080」

電源 : Fractal Design Ion+ Platinum 860W

ファンは低負荷で停止させる設定とすることも可能ですが、実際使ってみると高負荷時でも十分静かでしたのでここは安定性を重視して常に回転させる設定としました。

860W、80Plus PlatinumなのでRTX3080でも余裕のハズ

細かいところですがPCI-E電源ケーブルが初めから3本同梱されていますので、補助電源対策もバッチリです。

ケース : Fractal Design Define 7

内部構造を大胆に変更可能なところがポイントで、内部の空間を確保しつつ、ストレージを大量に積むことも可能です。まぁその分やたらデカくて(L547 x W240 x H475 mm)、重い(13.49kg)のですが・・・。

RXT3080とケース前面との間に十分なスペースを確保
裏面にストレージを配置可能。隠れていますがケース下部カバー裏にも2台搭載しています

フロントパネルに「USB 2.0 x 2」「USB 3.2 gen1 x 2」「USB 3.2 gen2」が実装されており、アクセシビリティも良好です。

フロントパネルの各種IF端子仕様も今風

CPU : Intel Core i7 10700k

使用するアプリの都合上intelにせざるを得ない

CPUクーラー : Fractal Design Celsius+ S36 Dynamic

自作歴20年にして初の水冷

ポンプの音がブクブク聞こえるんじゃないかと想像していましたが、高負荷時でもほとんど何も聞こえません。それでいてしっかり冷えています。同じメーカーということもあり、ケースの「Define 7」との相性も抜群です。

ケースがあたかもコレを付ける想定で作られているようにも見える

マザーボード : Gigabyte Z490 VISION D (rev. 1.1)

クリエイター向けとの事で派手さはないが堅実な印象
「Thunderbolt3」端子がオンボードで2つ

メモリ : Crucial CT2K16G4DFD832A DDR4 PC4-25600 16GB x 2

メモリは素直に無難なやつを選びましょう

記憶媒体 : WD Blue SN550 NVMe SSD 1TB

NVMe 1TB で実売12,800円はかなりお買い得なのではないでしょうか

ちなみに「VISION D」のM2スロットには標準でサーマルガードが付いてますんで発熱に関してはあまり気にしなくてもよいかも。

マザーにサーマルガードが付いているので発熱の多いSSDでもおそらく大丈夫

ここからは直接的に必要なものではありませんが、筆者の環境上必要となった追加の部品について紹介していきます。

その他1 : Cable Matters Mini DisplayPort DisplayPort 変換ケーブル (0.9m)

筆者はPCの画面出力先をこれまで「4Kモニタ Eizo EV3237 (DisplayPort)」「4Kテレビ 49Z720X (HDMI)」「HTC Vive (HDMI)」としていましたが、「MSI GeForce RTX 3080 GAMING X TRIO 10G」は「HDMI」ポートが1つしかありません。

映像出力端子は「DisplayPort x 3」「HDMI x 1」。環境次第では変換アダプタ必須

その他2 : Club3D DisplayPort 1.4 to HDMI 2.0b HDR 変換ケーブル

結果としては「Mini DisplayPort DisplayPort 変換ケーブル」が問題なく動作しましたので不要となりましたが・・・。

「4Kテレビ 49Z720X (HDMI)」へ接続を行いましたが、「4k 60p」で問題なく動作しております。ちなみに本変換ケーブルで「HTC Vive」の「HDMI」端子に接続してみたところ、こちらも問題なく動作しました。「Oculus Rift」では動作しなかったというAmazonの書き込みもありましたのでご注意下さい。

その他3 : CableCreation 8K DisplayPort Cable 1.4 DP変換ケーブル (8K–2M)

その他4 : CoolerMaster 汎用ビデオカードホルダー CA-0005-KUH00

見づらいですがGPUの終端部をサポート。磁石付きでズレることもありません

その他5 : AINEX USB2.0 リアスロット 2ポート RS-002E

USB2.0なので基本付けっぱなしの低速デバイス等に利用

最新ゲームをプレイしてもほぼ無音、トラブルもなく一安心

全部ひっくるめて30万超えてしまいましたが、当初の目的であった「高性能」「安定性」「静音性」を十分に満たしたPCとなりました。メーカー製やBTOではなかなか難しいレベルのPCですが、これも自作の醍醐味と言えるのではないでしょうか。